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評価:
三上 延
アスキーメディアワークス
¥ 620
(2011-03-25)
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だんだんと気温は高くなってきていて、自分の中で本を読む意欲が落ちてくる季節ではあるんだけど、今年は年明けからあんまりペースが上がらないせいなのか、そこまで意欲は衰えてないな・・・むしろちょっと上がってる?ま、そんなことはいいとして。
100万部を突破した「ビブリア古書堂シリーズ」である。ようやく手にすることができたので、2冊一気に読んだ。
実は同時進行で綾辻さんの「暗黒館の殺人」を読んでいるんだけれども、どうにも興が乗らず、先にこっちに手を出した次第。暗黒館はまだ1/4も読んでない。面白いんだけどね。
早く読み切ることができるのはさすがにライトノベルだと思った。
ビブリアに登場する本はほぼ知らないものばかりだったけど、読んでいくうちにもっとたくさん本が読みたいなとむくむく意欲は沸いてくる。「完本蔦葛木曽箋」とかナニソレ!みたいな。
タイトルは読めないし、どんな話なのかすら検討もつかないよ。ググっても完全に該当するものがないっていう・・・・は〜本の世界ってすごいわ。いや、古書か?
ビブリアの店主である篠川栞子は膨大な書籍(古書含む)の知識を有していて、本のことになると目をきらきらさせながら際限なく話をすることができるが、それ以外は疎くて、内気すぎる女性だ。そこに本をまるで読めない五浦大輔が店員として働くことになる。この古書堂に持ち込まれる本にまつわる謎を栞子が解き明かしていく筋の話。
もちろんその謎も、彼女の謎解きの鮮やかさも面白さであり、これこそこの本の醍醐味だと思うけど、私が思ったのは、彼女に備わってる読書量とたくさんの本に囲まれた生活とそれを読めるだけの力って言えば良いのかな。すごく羨ましいって思った。古書なんて特に仮名遣いやら、言い回しなんかが昔のままで難しいし、読むのに時間が掛かったりすると思うんだけどそれを読んで自分の感想を持てる彼女の読む力が本当に羨ましい。全く感服つかまつるぜ。
私も読もう。本を。
そんな風に思わせてくれたシリーズ。
次回の展開を期待させる2冊目の最終ページの引き際も見事。
たいへんおいしゅうございました。