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ゴールデンスランバー
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 1,680
(2007-11-29)
2008年本屋大賞、および第21回山本周五郎賞受賞作品。

伊坂幸太郎作品はこれで2作目。
1作目は「重力ピエロ」。
文章は読みやすくて、するする読めた。
とりあえず、開始3行で本を閉じるなんて言う事態にならなくてよかった。

よく考えると、春のこの季節にこれを読んだのはちょっとした偶然?
「ゴールデンスランバー」のスランバーは「Slumbers」
1:眠り、うたた寝、まどろみ
2:沈滞{ちんたい}、停滞{ていたい}、休眠{きゅうみん}[停止{ていし}・休止{きゅうし}・無活動{む かつどう}]状態{じょうたい}

私の解釈は1のまどろみ。
響きが気に入って読んでみようと思った。

以下ネタばれを含む独り言。




結論から言うと彼は逃げ切った!
でも、ハッピーエンドですべてが丸く治まった訳ではない。
生き残ることには成功したけれど、顔を変え名前を変えて生きなくてはならない。
両親にも会うことは難しいかもしれず、まさしく人生をめちゃめちゃにされてる。
私には耐えられないよ。しかも彼を犯人に仕立て上げるためにすべてが前から準備されているのは恐ろしいこと。
セキュリティのためとはいえ、監視社会も良し悪し。

でも、よかったことは昔の知り合いたちが彼の無実を信じていたこと、信じたこと。
間接的ではあるにせよ、彼が逃げて生き延びることに協力してくれたこと。
縁とチームワークの勝利?
途中であきらめたりもしたけど、逃げるが勝ちってね。
森山くんの「逃げろ」が最後まで青柳くんの中で響いてた。

七美ちゃんの「たいへんよくできました。」は本当にたいへんよくできました。

タイトルの元になっているのは下の歌。
本文中で森山くんと青柳くんが歌ったのはビートルズのほう。

ビートルズ
Golden Slumbers fill your eyes,
Smiles awake you when you rise.
Sleep pretty darling do not cry,
And I will sing a lullaby.

黄金の眠りが君の瞳を満たし
朝には微笑が君を起こしてくれる
おやすみ、かわいい君よ、泣かないで
ぼくが子守唄を歌ってあげる

マザーグース
Golden Slumbers kiss your eyes,
Smiles awake you when you rise,
Sleep, pretty wanton; do not cry,
And I will sing a lullaby:
Rock them, rock them, lullaby.

黄金の眠りが君の瞳にキスをする
朝には微笑が君を起こしてくれる
おやすみ、かわいい甘えん坊、泣かないで
ぼくが子守唄を歌ってあげる
ねんねんころりよ、おころりよ
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